Staff Note
グローリーヴェイズ
大人しくて扱いやすく、操作性も良かったです。産駒で父が勝てなかった日本のGⅠを目指したいです。
ノーザンファーム空港C1
高見優也厩舎長
写真提供: @puru_222 via Instagram
グローリーヴェイズを最初に見た時の印象を教えてください。
セレクトセールでは小柄な馬体が嫌われたのか、ディープ産駒にしては高くならなかったんですよね。厩舎に来たのは1歳の10月ぐらい。小柄で馬体重も430kgぐらいでしたから、確かに寂しさはありましたけど、これから良くなるんだろうなという感じでした。小さい馬は不利とも言われますが、大き過ぎるよりはいいと思います。400kgを切るような馬ならともかく、400kgちょっとあれば、そこから成長できますし、脚元への負担が少ないというメリットもありますからね。
非力さは感じなかったですか?
そこまで非力さは感じなかったですけど、年内は周回コースをメインに使って、基礎体力の強化に努めました。早い馬は年明けから15-15を始めるんですが、この馬は17、18ぐらいでしたから、バリバリやる感じではなかったです。
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良さが見えてきたのはいつ頃ですか?
小さいだけで、もともと乗った感じは良かったんです。大人しくて扱いやすく、乗っている時の操作性も良く、誰が乗っても苦労しない馬でしたね。そのあたりは長距離でも引っ掛からないところにつながったんじゃないでしょうか。調教を進めるにつれて、筋肉が付くべきところにしっかり付いて、最後の方は坂路を楽に上がってこられるぐらいの体力がありましたよ。
現役時代の思い出のレースはありますか?
GⅠ初制覇となった19年の香港ヴァーズは現地で見ました。私の厩舎で担当したアドマイヤマーズも香港マイルを勝ってくれて、本当に嬉しい一日となりました。
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今年からは種牡馬となりました。
もちろん、産駒にも携わりたいですし、父が勝てなかった日本のGⅠを目指したいです。これまでに手掛けた馬だと、ジャスタウェイ産駒のダノンザキッド、リアルインパクト産駒のラウダシオンで、それぞれGⅠを勝つことができましたが、格別の喜びでした。グローリーヴェイズでもそういう感動を味わいたいですね。
レイクヴィラファームの生産馬について印象はありますか?
いい馬を預けていただいていることもあるんでしょうが、ノーザンファームの生産馬と比べても引けを取るところはありません。私の厩舎は相性が良くて、結構勝ち上がっているんです。現役ではオタルエバーやシホノスペランツァ、グローリーヴェイズの下のエゾダイモンなどがいます。エゾダイモンはまだ1勝クラスに留まっていますが、いずれ走ってきますよ?
数々の名馬を手掛けられていますが、特に印象的な馬はいますか?
とても1頭には絞れませんが、オルフェーヴルと一緒にフランスに行ったことは思い出深いです。最近ではヴェラアズール。脚元が悪くて、最後はデビューさせることが目標になっていたほどで…。あの馬がGⅠを勝つとは誰も思ってなかったはずです。それだけに改めて〝諦めたらダメだ〟と思いました。諦めていたらデビューもできていませんからね。3歳春になると〝何とかデビューさせないと…〟となるんですが、その中にも能力がある馬は絶対にいるので、やれるだけのことはやってあげないと。どの馬が走るのかは本当に分かりませんからね。
最後に厩舎長として大切にしていることを教えてください。
いろいろありますが、長期休養する馬をつくらないようにしたいです。せっかくいいところまで来ても、長期離脱すると競走馬人生に大きな影響を及ぼしてしまいます。1頭1頭に合ったメニューを組んで、常に動かせる状態にしたいなと考えています。
グローリーヴェイズ
Data
- 2015年03月02日 生まれ 牡
- 第26回、第28回香港ヴァーズ(G1)・第66回日経新春杯(G2)・第55回京都大賞典(G2)
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父ディープインパクト
母父スウェプトオーヴァーボード
上場市場:JRHAセレクトセール
グローリーヴェイズの紹介ページ