Staff Note
コウソクストレート
母や祖母と違って〝いいやつ〟って感じでした。
レイクヴィラファーム
的野 智志
写真提供: @neo_shigematy via Instagram
生まれた当時の印象を教えてください。
正直、地味な馬でしたね。お母さんのメジロアリスは現役時代に430kg前後で走っていた馬で、初仔のシーユーアゲンも小柄でした。そこで大柄なヴィクトワールピサを配合して生まれたのがコウソクストレートなんです。狙い通り、そこまで小柄ではなかったですし、脚元も難しいところはなかったです。ただ、馬体にこれといった特徴がなく、地味な馬ではありましたから、重賞を勝つとは想像できなかったです。
写真提供: @thanks_jumboimo via X(旧:Twitter)
4代母はメジロラモーヌですが、この牝系の特徴はありますか?
アリスはネジが外れると手を付けられない面がありました。実は最後は放牧地で亡くなっていたんですが、何かの弾みでパニックになって、牧柵にぶつかったのかな…と。聞くところでは(アリスの母の)メジロシルビアもパンチが効いていた馬だったそうです。ただ、コウソクストレートは母や祖母と違いましたね。ヤンチャな感じもなく、むしろ〝いいやつ〟って感じでした。
写真提供: @heartscry_2001 via X(旧:Twitter)
デビュー後の活躍をどのように感じましたか?
あれほどの活躍をしたこと、しかも短距離だったことに驚きました。このあたりはスプリント路線で活躍したアリスの血でしょうね。実は同じ繁殖厩舎にもう1頭、ヴィクトワールピサ産駒がいたので比べて見ていたのですが、個人的にはそちらの方が好みでした。それだけにコウソクストレートはノーザンファームの育成厩舎に移動してからグンと良くなったんだろうと認識しています。
成長がゆっくりのタイプだったんでしょうか?
決して早くはなかったですね。レイクはマーケットブリーダーですから、どうしてもセリに上場する時点でカッコいい馬を求めてしまうのですが、それはこちらの都合です。成長過程でバランスが良くなったり、逆に崩れたりっていうのはどうしてもありますし、コウソクストレートにしても、これがこの馬の成長曲線だったんでしょう。残念ながらファルコンSの後は一度も走ることなく死んでしまいましたが、無事ならもっと活躍できたんじゃないかと思っています。
コウソクストレート