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【アメリカ繁殖セリに挑戦】
国境を越えた競馬の旅①
2023.11.20 Column
11月5日より、レイクヴィラファーム代表として、私、岩崎義久は新しい仲間を求め米国の繁殖セリへの旅に出ました。
この記録は、アメリカでのセリ参加体験を皆さんにも感じていただけるよう、詳細にまとめたものです。
全部で3つの記事に分けてお届けします。
アメリカの繁殖セリ参加のための長旅
アメリカへの繁殖セリ参加の旅は、長い道のりでした。
新千歳空港から始まり、羽田経由でダラスへ、そして最終目的地レキシントンへと続きます。
このルートは合計で約15時間の飛行時間を要し、洞爺を5:30に出発し、日本時間で翌日の3:30にレキシントンのブルーグラス空港に到着しました。
トランジット時間を含めると、移動には総計22時間もの時間を要し、実質丸一日が必要でした。
ダラス空港で入国審査に1時間待ち、モノレールみたいな乗り物で国内線へ乗り継ぎます。
空港の大きさが日本と比べて規格外です。
ダラス空港では仲の良い生産者の方々と2時間ほど楽しく会話しながら待ち時間を過ごしました。
レキシントン到着とレンタカーの利用
レキシントンのブルーグラス空港に着いたのは現地時間で13:30。
そこからすぐにレンタカーの手続きを済ませ、出発します。
本当は2人で来る予定だったのですが体調不良のため直前のスクラッチとなり、1人旅となりました。
そのため、1人では大きすぎるSUVが今回の旅の相棒です。
アメリカでは左ハンドル、右側通行。
赤でも右折はしていい、先に入った者勝ちルールなど、だいぶ勝手が違うのでボケっとしてると、すぐクラクションを鳴らされます。
Fasig-Tiptonでのセリ下見とアプリ利用
なんとか、Fasig-Tiptonの会場に向かい下見を開始。
約50頭の馬に対して下見を行いました。
これらは事前に私たちのスタッフ全員でリストアップした馬たちです。
セリの下見には、タブレット専用の「equineline」という非常に優れたアプリを使用しました。
このアプリは馬体評価だけでなく、気になる馬のレース履歴なども事前に調査するのに役立ちます。
また、重要な情報や写真をアプリ内に保存しておくことができ、後で参照するのに便利です。
さらに、「equineline」アプリは、厩舎やコンサイナー(上場の請負会社)ごとに馬を整理して表示してくれます。
これにより、セリ会場での動線をアプリに沿って効率的に動くことが可能になります。
このように、技術を駆使してセリに臨むことができました。
日本の競馬市場と比較して、アメリカの市場は大きく異なります。
日本ではG1や重賞を勝った馬が市場に出ることは稀ですが、アメリカでは400以上の重賞レースを勝った馬たちが次の投資に繋げるために売られることが一般的です。
これにより、非常に高い成績を持つ馬たちが繁殖セリに次々と上場されます。
前日にブリーダーズカップ(世界でも1・2を争う高額の賞金が提供される大イベント)に出走した馬たちも多くセリに上場されていましたが、この日は多くの馬がまだ到着していませんでした。
また、セリでの欠場の多さもアメリカの特徴です。
日本では欠場すると、「なんかたいへんなことがあったんだ!」となりますが、セリ本に乗せてもその前に売買が決まったりして、直前でもへっちゃらでスクラッチしてきます。
ワクワクしながらオーダーして、欠場を告げられるとけっこう悲しいです。
夕方16:30頃になると、セリ会場は人もまばらになり、厩舎の人たちの間にも終わりのムードが漂ってきました。そこで、今日の活動は一区切りとしました。
ホテル到着と夜の過ごし方
ホテルの部屋に到着すると、アメリカで一番大きいコンサイナーのTaylor MadeとFasig-Tiptonから贈り物が届いていました。
当然、「たくさん競れよ」というコマーシャルですが、こういう心遣いは意外と日本人ができないおしゃれな感じだといつも感じます。
Fasig-Tiptonからもらったおかしとフルーツのバスケットはとても食べられそうにないので、部屋を掃除していたメイドさんにプレゼントしました。
22:00に就寝しましたが、時差の影響で体内時計が狂い、夜中の2:00に目が覚めてしまいました。
まったく眠たくならないので、前日にチェックした馬の情報をさらに深く調べることで時間を過ごします。
初日にFasig-Tiptonをある程度下見することができたため、2日目はKeenelandとFasig-Tiptonの残りを見学しました。
下見に集中した1日はこれで終了で、次からの記事ではセリの様子をお届けします。
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この旅の続きは「国境を越えた競馬の旅②」をご覧ください。