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【アメリカ繁殖セリに挑戦】
国境を越えた競馬の旅③
2023.11.20 Column
Keenelandでのセリ
水曜日はKeenelandのBook1を訪れました。
事前に下見候補になっていた頭数はFasig-Tipton同じくらいでしたが、Keenelandは馬体を確認して考察に値する馬がほぼいない状況。
今回はFasig-TiptonとKeenelandとのラインナップの差が顕著です。
数少ない候補の中で、この日は受胎馬3頭の最終確認を行います。
候補は以下の3頭です。
■競る馬の選定
・38番 Tapit受胎
・49番 Into Mischief受胎
・223番 Flightline受胎
3頭はいずれもA評価には達しませんが、欠点を見過ごせば、成績は及第点の馬体です。
■38番馬のトラブルと対応
38番の馬を見せてもらおうとコンサイナーに依頼したところオーダーしたのですが、待てど暮らせどでてきません。
しびれを切らして「どうした?」と聞くと、蹄鉄がズレて歩けないので後で来てくれとのこと。早く伝えて欲しかったという思いを飲み込み、セリが始まってから再確認することにしました。
■セリ開始前の時間活用
セリは13:00から始まるので、その間に近くの種馬を見に行くことにします。
アメリカではセリがある間は、どの種馬場もオープンハウスというかたちで来年のプロモーションのために種馬を見せてくれます。
ガンランナー、フライトライン、ライフイズグッドなどの旬の種馬を見学しました。
■38番 Tapit受胎
セリの進行は予想より速く、戻ってきたときには、最終確認をしたかった38番はすでにパレードリンクを回っていました。
痛み止めの処置が施されていたのか、歩様に問題は見られませんでしたが、裂蹄の状態が悪いことが明らかで、競りに参加するのは諦めました。
映像で映るセリ場の裏側です。
サブリンク、メインリンクへの入り口、メイン会場の外側、これらが競りの場です。
モニターのしたのおじいさんスポッターにビッドの意思表示をします。
38番の競りを止めたので、残るは49番と223番です。
233番は相当高くなることが予想されるので49番をなんとしても落札したいところ。
セリが始まると、予想より値上がりのペースが緩やかでした。これはもしかすると予算の100万ドル以内で落ちるかも?
65万ドル(1ドル150円とすると、9,750万円)でハンマーです。
私が相当喜んでいたのかスポッターもニコニコしながら「君が買ったよ」とジェスチャーしてくれます。昨日と同様にサインして控えを業者さんに渡します。
■セリの結果と感想
「あがり馬と受胎を1頭ずつ買えたら最高だなあ」という当初の願望が完全に叶いました。
これにて仕入れは終了です。あとはこれから、アメリカに残すこれらの馬にどの種牡馬をつけるか、などを話し合ったりします。
■帰路への準備
翌日は今回買った馬たちを国内検疫を請け負ってくれている牧場に見に行きます。
去年購入したベッラガンバも、もう立派な母馬の体型になっており、元気そうでした。
彼女は、flight lineを受胎しています。
釣りはしませんが、家で釣果を確認する時はこんな気持ちになるのでしょうか。とても嬉しい気持ちになります。
この後はまた種馬見学ツアーです。
マドンのお腹の中に入っているのが今をときめくIntoMischef。実馬を見て産駒のイメージを膨らませます。
そして翌日、午前3時に起きて帰路につきました。