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【欧州セール遠征2024】
スタッフが語る繁殖牝馬を追いかけて④
2025.01.16 Column
タタソールズの2日目は夕方からセリに参戦予定でしたが、それまで随分と時間があります。そこで午前中はニューマーケット競馬場を見学。午後はランウェイズスタッドと競馬博物館を訪ねることにしました。
ニューマーケット競馬場は英国を代表する競馬場の一つ。牡牝のクラシック初戦となる2000ギニーと1000ギニーが行われます。ある程度はイメージしていましたが、実際に触れることで、そのスケールに心底、圧倒されました。
欧州の競馬場について〝平原に柵を置いただけ〟とよく言われますが、まさにそういった感じ。どんな芝生を使っているのか気になり、競馬場のスタッフに尋ねると〝この場所に300年前から生えている普通に草ですよ〟と事も無げでした。あらゆる面が管理されている日本の競馬場との違いを痛感しましたね。
コースは「ジュライコース」と「ローリーマイルコース」の2つ。こちらの写真はジュライコースで、00年に日本のアグネスワールドが制したジュライCの舞台でもあります。ゴール地点に立ったのですが、コースが想像以上に波を打っていて、スタート地点が見えません。もう一つ、意外だったのはゴール板。赤い丸の看板があるだけで、〝えっ、これ!?〟という感じでした。
※ジュライコースのゴール板
驚いたことは他にもありました。何と「犬の散歩禁止」の看板があったのです。ちょうど我々が訪れた時も、コース近くに散歩中のご婦人が。日本に置き換えると、東京競馬場や京都競馬場の芝コースに簡単に侵入できてしまうような…。う~ん、ちょっとあり得ないですよね。
※コース近くを散歩中のご婦人
昼食を挟み、ランウェイズスタッドに向かいました。かつてはジルザルやエルナンド、日本に関連する馬では、サンデーサイレンス産駒のヴィータローザも繋養されていたそうです。
最初に登場したのはボビーズキトゥンです。14年のBCターフスプリントの勝ち馬。アメリカのスプリンターらしい、いい意味での硬さがありました。JRAで走った産駒は僅かに2頭ですが、ともに勝ち上がっていますし、大物が出ても不思議はないでしょう。
続いてはシーザムーンです。14年の独ダービーを11馬身差で圧勝した名馬。昨年のジャパンCで11着だったファンタスティックムーンの父でもあります。シーザスターズ産駒らしい体型で、いかにも切れる脚を使えそうな柔らかい体質の持ち主。JRAで勝ち上がった産駒はいませんが、可能性を感じる馬でした。
そして最後はディープインパクト産駒のスタディオブマンです。祖母は80年代を代表する名牝ミエスク。同じくディープ産駒で、曾祖母がミエスクのリアルスティール&ラヴズオンリーユーの兄妹から〝ミスタープロスペクターを抜いた〟ような血統構成になりますね。リアルスティールと同じく、硬い馬かと思っていたのですが、意外にも柔らかく、ディープ自身に近いイメージでした。だからこそ、スピード系の馬格のある牝馬が合うはず。もちろん、日本の芝にもマッチしそうなので、外国産馬や持込馬から大物が出るかもしれませんね。
次回は競馬博物館見学の模様をお届けします。
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前回は【欧州セール遠征2024】スタッフが語る繁殖牝馬を追いかけて③をご覧ください。