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【米国セール遠征2024】
スタッフが語る繁殖牝馬を追いかけて③
2024.11.22 Column
さぁ、いよいよセール当日です。レイクでは海外のセールに参加する際、事前に日本でスタッフミーティングを行い、候補とする馬を選定します。今回はファシグティプトンで約60頭、キーンランドで約30頭をピックアップしました。これらの馬を前日の下見で約6時間かけてチェック。その結果、ファシグティプトンで約20頭、キーンランドで約10頭まで絞り込みました。
※セールカタログに気付いたことを書き込んでいきます
個人的には今回、セールで馬を見ることの難しさを痛感しました。もちろん、これまで何度もセールに参加していますが、いずれも販売者として。したがってレイクの上場馬に集中していれば良かったのですが、今回は購買者ですから全ての馬と相対することになります。単純に時間がなくて慌ただしい、予算との兼ね合いで欲しい馬はなかなか買えない、当落線上の馬の扱い等々、頭を悩ませることの連続でした。
ただ、それは贅沢な話でもあります。上場馬のレベルは高く、特にファシグティプトンは重賞勝ち馬が当たり前。自身がGⅠ馬、兄弟がGⅠ馬という馬を数多く見ることができてテンションが上がりましたし、何より勉強になりました。また、これだけの血統、実績のある馬がセールに出てくるということに、日本とのビジネスモデルの違いを感じました。極端な話、アーモンドアイやグランアレグリアが繁殖セールに上場されるようなものですからね。
この日は2日と3日にデルマーで行われたブリーダーズCの出走馬がセール会場に到着します。前日に絞り込んだ馬+ブリーダーズC出走組を入念にチェックして、最終的な候補を決定します。例年通り、最後はパートナーシップを結んでいるノーザンファームと競る馬が被らないように相談し、162番のNeecie Marieを本命としました。GⅢを2勝、かつGⅠでも2着になるなど、米国の牝馬芝中距離路線を盛り上げた活躍馬。それに加えて馬体が素晴らしく、叔父にケンタッキーダービー馬のRich Strikeがいる血統背景も決め手となりました。ちなみに最終会議の舞台となったのは、ノーザンファームが主催者側から用意してもらっている個室。さすがですね。
※Neecie Marieのカタログです
※パレードリンクで162番を最終チェック
ファシグティプトンは当歳セッション→繁殖セッションの順番に行われるのですが、1番から161番までは当歳です。したがって162番はトップバッターでした。セリは20万ドルからスタート。30万ドルに上がったところから、我々も参戦します。50万ドルからは5万ドルずつ競り上げての戦い。見えない相手に対し、こちらの〝絶対に下りないぞ!〟という気持ちを示すため、すぐに返します。結果は100万ドルで無事に落札。一応の予算は80万ドルでしたが、100万ドルまではOKと考えていたので〝ギリギリセーフ〟でした。もともと、今回のアメリカ遠征では1頭のみの購入予定だったので、早々とノルマを達成。見守ってくれていたノーザンファームのスタッフに祝福されながら、書類にサインをしました。
次回ではセール当日の会場内の様子をお伝えします。
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次回は【米国セール遠征2024】スタッフが語る繁殖牝馬を追いかけて④をご覧ください。
前回は【米国セール遠征2024】スタッフが語る繁殖牝馬を追いかけて②をご覧ください。