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【米国セール遠征2024】
スタッフが語る繁殖牝馬を追いかけて⑦

2024.11.30 Column

今回の旅も遂に最終日。この日も多くの名馬と出合うことができました。

まずはアッシュフォードスタッドへ。世界的なオーナーブリーダーのクールモアグループが所有する牧場です。開場は1982年。かつてはストームキャットやジャイアンツコーズウェイ、日本人が所有してケンタッキーダービーを制したフサイチペガサス、さらには後に日本で導入されるヨハネスブルグなどが繋養されていました。

※ジャイアンツコーズウェイの銅像が出迎えてくれました
ジャイアンツコーズウェイの銅像
石造りの厩舎は〝さすが名門〟といった感じの重厚感です。そして、ここから望む綺麗な一直線の並木道は綺麗の一言。まるで天へと続く道のようです。
アッシュフォードスタッドの並木道の風景
アッシュフォードスタッドの牧場風景

いきなり大物中の大物、アメリカンファラオが出てきました。2015年にアファームド以来、37年ぶりとなる米3冠を達成した歴史的名馬。代表産駒でフェブラリーSを連覇したカフェファラオも500kgを優に超える大型馬ですが、さらに二回りほどゴツくした感じです。日本では産駒がよく走っていますが、米国での評価は下降気味。初年度の16年に20万ドルだった種付料は今年、5万ドルまで下がってしまいました。


アメリカンファラオの全身写真

続いては2018年の米3冠馬のジャスティファイです。今年の種付料は20万ドル。先輩3冠馬のアメリカンファラオに負けず劣らず、かなりの大柄でゴツゴツとしています。ただ、それでいて重苦しくないのが凄いところ。シティオブトロイを筆頭に芝のGⅠ馬を多く輩出しているのも納得できました。


ジャスティファイの横姿
ジャスティファイの正面写真

最後はアンクルモーです。今年の種付料は15万ドル。まだ16歳なので現役バリバリですが、代表産駒のナイキストを通して孫世代も活躍していますね。今年のJBCクラシックを制したウィルソンテソーロの母の父でもあります。


アンクルモーの全身写真

アンクルモーの横顔
アンクルモーの表情アップ

続いてウィンスターファームへ。1頭目はライフイズグッドです。22年のペガサスワールドCなどGⅠを4勝。ラストランとなった2022年のBCクラシックでは5着に敗れたものの、フライトラインと2頭で後続を引き離し、レースを盛り上げました。〝種牡馬の父〟としても評価が上がっているイントゥミスチーフの産駒ですから、大成功しても不思議ありません。


ライフイズグッドの全身写真

もう1頭、渋い馬を紹介しましょう。ジャスティファイ産駒のハートランドです。といっても、この馬のことを知っている方はほとんどいないのでは? GⅠを3勝しているクラシックエンパイアの半弟。昨年7月の新馬を好時計勝ち。将来を嘱望されていたものの、故障で引退を強いられたとのこと。確かに素晴らしい馬体をしていましたし、〝無事だったらGⅠを勝てた〟というセリフも大袈裟には聞こえませんでした。
ハートランドの全身写真

スタリオン巡りの大トリはスペンドスリフトファームです。1937年開設の超名門。古くはナシュアやレイズアネイティヴ、シアトルスルーやアファームドといった名馬が過ごしていました。
スペンドスリフトファームの牧場風景
※ナシュアの銅像です
ナシュアの銅像

そして現在のスペンドスリフトファームの大エースがイントゥミスチーフです。昨年まで5年連続で北米リーディングサイアーを獲得。今年の種付料は北米トップタイの25万ドルでしたが、それも実績を考えると高いとは思えませんね。お腹がゴロンとしていて、決して見栄えのする体型ではないのですが、産駒はとにかく走ります。レイクの生産馬ではマドンの24(牡)が今年のミックスセールで5000万円(税抜)でご購買いただきました。贔屓目なしに大舞台を狙える馬だと思っているので、ご注目ください。


イントゥミスチーフの全身写真

続いてはオーセンティックです。2020年にケンタッキーダービー、BCクラシックなどを制し、米年度代表馬に選ばれました。初年度産駒は今年デビュー。日本ではサンダーロードが勝ち上がっていますね。


オーセンティックの全身写真

最後はフォルテです。2022年のBCジュヴェナイルなどGⅠを4勝。初年度の今年は200頭以上に種付けしたそうです。手先が軽く、体もゴリゴリではないので、産駒は芝でも走れるかもしれません。


フォルテの全身写真

以上、7回に渡る旅行記をご覧いただき、ありがとうございました。年内には現在欧州遠征中のスタッフの旅行記をお届けする予定ですので、ご期待ください。

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前回は【米国セール遠征2024】スタッフが語る繁殖牝馬を追いかけて⑥をご覧ください。